今回は14世淡々斎(1893-1964)が創案された「御所籠」の点前を紹介します。
御所籠は御所で使われていた御用籠からデザインされたもので、茶箱を基本に新しい道具を組み合わせています。
お茶碗は2つ重ね、大津袋と呼ばれる袋で包みます。特徴は4枚の古帛紗で、それぞれ役割が決まっています。棗と茶杓を置く白、点前用は紫、茶碗を出す時に使うお揃いの緞子2枚。古帛紗が色紙のように並ぶので「色紙点前」と名付けられています。
点前の最後にお客様が道具を拝見できるよう並べて出します。(写真左上)
右端の小さい木箱は茶巾箱。茶巾を入れておき、たたみ直して使います。
干菓子を入れる振出しは陶器でなく瓢、網で包みます。(写真右下)
籠に入るよう、すべて小振りで軽いものですね。
茶箱は11世玄々斎(1810-77)が江戸末期に創案されたものですが、御所籠は昭和時代、淡々斎の創作への想いを感じます。
掛軸「月白風清」:月白く風清し、ススキも揺れます。
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