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執筆者の写真高橋宗真

寒中のお茶


2月は1年で最も寒い季節、お茶も暖かさを大切にする取り合わせです。


寒中にはいつものお茶碗より細長い「筒茶碗」を使います。お茶が冷めないよう、持ち出す前に湯で温めておき、お茶室に運びます。(写真左上)

茶碗:赤楽筒茶碗。胴が細く湯を入れるのは難しいですが、湯の暖かさが嬉しい。

棗:「花丸蒔絵」福井県鯖江の宮田宗景作。竹や梅が丸い円に描かれ、春を呼びます

水指:高取14代亀井味楽。侘びた色の釉薬で見た目より、ずっと薄い作りです。


掛軸は「山中無暦日」(山中に暦日無し)。山の中は自然のみで暦はない、日常は、種々、心配が続きますが、心は山中にいるように自己を失うことなく、落ち着いた時間を持つという意です。


下段のお点前(写真中央)は、「あっ、釜の位置が逆?」とお気づきでしょうか?

これは「逆勝手」と言われ、釜が通常と反対の左側にあります。棗や茶筅、建水の位置も変わり、お点前も左右、逆になります。初めは戸惑いますが面白い趣向です。

厳寒に大きな炉「大炉」を使うことを基本に考えられたもので、火を近くに感じる冬のお茶です。裏千家11代玄々斎の創案です。


お菓子は早めの雛祭り。春が近いです。

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