夏から秋へ季節が廻ります。
10月、お茶は風炉が終わる月で「名残」と言われます。
点前座の左にあった風炉は畳の中央に置かれ、「中置」になります。
秋晴れの清々しい日もあり、朝晩冷え込む、寒暖の差がある時期で
11月の開炉の前、お客様に火を近づけるという趣向ですね。
中置の風炉を置く敷板は、通常より大きいサイズの「大板」です。
水指は左側になり、細いもの(細水指)を使います。柄杓、蓋置は大板に置きます。
この取り合わせを見るといつも秋が深まってきたと感じます。
掛軸は「山中無暦日(山中暦日無し)」(大徳寺黄梅院住職太玄書)。
長引くコロナ禍、戦争と心痛む日々が続きます。多忙な日常の中でも、心は山中にいるように安静な気持ちで日々を過ごしたいという想いです。
棗は、淡々斎好み大棗「菊唐草」。一閑張でとても軽いものです。
茶杓は黒柿。筒はありますが、銘がなく、稽古中に皆さんが10月の銘から選んだ「豊穣」になりそうです。黄金色の稲穂が連なる情景が広がります。
お茶碗は柿の絵、京焼で銘「秋の実り」。
里の秋、豊かな収穫に感謝して。
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