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執筆者の写真高橋宗真

秋の月



「掬水月在手」(水を掬すれば月手に在り)。

手で掬った水に月が映る。秋の訪れを感じます。初めてこの禅語を知った時、静かな野で、手の中に光る月を想いました。


9月は緊急事態宣言が続き、お茶は今月10月に再開しました。

久しぶりに皆さんとお会いし、夏にできなかった茶箱からです。


茶箱は以前のブログで紹介していますが、裏千家11代玄々斎(1810-77)が江戸末期、嘉永7年(1854)伊勢路を旅した時に創案されたものです。季節を表す「雪・月・花」の点前があり、今回は秋の点前「月」。茶箱にお香を焚く香合や小羽根が入り、器据(きずえ)と呼ばれる道具を置く板を活用しています。秋の夜、月を愛でながらお香とお茶を楽しむ、茶箱の中で最も美しい点前とされています。


器据は始めに4つに折り畳み、茶箱と共に運び、点前の時に広げて使います。

茶箱から道具を出し、茶筅通し、これからお茶を点てるところです(写真左下)。

お点前の終わりにお客様が茶箱を拝見できるよう、道具を出します(写真左上)。

茶箱は「四君子蒔絵」。香合や棗も同じ絵柄の四季の草花です。

干菓子は京都大徳寺納豆を使った「余情残心」。味噌の香りがお茶に合います。


風炉は10月が最後の名残の月。来月は炉開き、秋が深まっていきます。

感染が終息して落ち着いた日々が戻ってきますように。


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