夏の茶箱から、10月、名残の風炉が終わると、茶室は秋の炉開きです。
茶室の炉に釜を掛け、久しぶりに秋の道具を見ると、猛暑が続いた夏が終わり、
今年も秋が来ることを感じます。
掛軸は「関 南北東西活路通ず」。「関」は関所の意味で難関を超えれば活路が開けるという禅語。これからも新たな気持ちで精進していくという趣旨で炉開きに掛けます。
棚は裏千家14代淡々斎好み「寿棚」。八角形の天板に棗、地板に水指を置きます。
棗:「雲錦」出雲(松江)漆壺斎の作。雲は桜、錦は紅葉を表します。
水指:「葡萄棚」京都西村徳泉作。ブルーの染付が棚に映え、好きな絵柄の一つです。
濃茶の茶入は唐津。茶碗は織部沓形(くつがた)、歪んだ形です。
立礼のお点前は80代の方です。無理のないようテーブルでお稽古を続けられて、
皆さんと季節のお茶を楽しんでいます。(写真上)
11月は毎年、五島美術館の茶会に参加します。
庭園にある茶室の濃茶席は遠州流。武家茶道の流儀は新鮮で、釜の湯の沸く音と湯気に心が洗われます。美術館所蔵の掛軸(文化財)、小堀遠州作の茶杓などを茶室で見ることができる貴重な機会で、いつもその歴史に感銘を受けます。(写真下)
秋晴れが続いて紅葉が進みました。
穏やかな秋から冬へ、これからも良いお茶の時を過ごせるように。
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