初夏、風炉の季節です。
掛軸は「香風」、川崎大師住職の書。香風は花を吹く風で、この風であたりが香しくなるという意です。「香風は浄土の声」とされ、新緑の候、心清らかな時を感じます。
花は中庭に咲いたツツジと二ホンタンポポ。黄色いタンポポは日中開き、夕方、日暮れになると花を閉じます。野生の花で陽の明るさを知っています。
花入れは友人の鎌倉彫。黒地に背丈のある螺鈿のデザイン、生花が映えます。
今日は、初風炉を楽しむ、竹(染付)の皆具にしています。
畳に置かれているのは「長板」で風炉の季節は釜と水指など道具を置きます。(写真右上)
皆具は柄杓と火箸を立てる「杓立」、蓋置を入れた建水、水指とすべて同じ文様です。
長板は通常の棚にある上板がないので、風通りがよく、開放感があるように思います。
棗はいつもこの時期に出会う、輪島塗「青楓」。扱いやすく、欅目も自然です。
(写真右下)。
お点前は昨年春に入門された方で、基本からお稽古を続け、今、とても上達しています。
単衣のお着物が涼しげです。
初夏の1日、一服のお茶。
竹林を吹き抜ける風を感じて。
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