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執筆者の写真高橋宗真

笹露

更新日:2023年6月22日



梅雨入りで雨が続きます。紫陽花が色づき、茶室は初夏の彩りです。


掛軸は「水上清々翠」(すいじょうせいせいのみどり)。前大徳「橋本紹尚」書。

水辺に青々とした水草が揺れる風景を表す語で涼しい風を感じます。 

棚は柄杓の丸窓が特徴の「溜精棚」(りゅうせいだな)。裏千家14代淡々斎が京都今日庵茶室の窓からデザインされたもの。水指はガラス切箔、ブルーの水に金箔が光り爽やかな印象です。


お茶の点前では、お客様が道具を手に取って見られるよう、最後に棗と茶杓を拝見に出します。今日は、茶杓を帛紗に載せ、丁寧に扱っています。

棗:利休伝来写「笹」佐々木麗峰作(福井)。笹に螺鈿の露が美しい伝統の蒔絵。

茶杓:藤井誡堂(大徳寺515世)作。銘「苔衣」(こけごろも)。(写真上)

   苔衣は苔に雨の雫が溜まり、衣のように見えること。6月の銘。


今日は薄茶に合わせて干菓子を2種。

讃岐和三盆糖「くす玉🎊」、開けると2つに割れ、甘く可愛い。(写真下右)

もう一つは鎌倉豊島屋「松が岡」。薄い最中種に柚子餡と大島餡。昔、八幡宮の若宮大路が松並木だった頃を想い作られた、風情を感じる銘菓ですね。(写真下左)


雨は動きにくく、時に災いもありますが、恵みの雨でもあります。

雨の季節、ひと時のお茶を。雨音と笹の葉の露に清寂を感じて。



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